まずは、精神疾患について正しく知りましょう

精神疾患にかかったと知ると、誰もが驚き、戸惑います。
でも、「心の風邪」は誰もがかかる病気です。
ご自身が、家族が、友人が、同僚が……そんな時はまず、それがどんなものか知りましょう。

精神疾患のミニ知識ー正しい理解のためにー
(出典:東京都中部総合精神保健福祉センター、平成24年2月)

① 精神疾患とは?

眠れない、気分の落ち込み、ひきこもり、不安、そら耳体験、ひどく疑い深くなる、物忘れなどは、精神疾患の症状により起こることがあります。認知、思考、感情、意欲、自我などの心の機能の障害が症状として現れます。病気の種類によって症状も異なります。
原因不明なものが多いのですが、脳の機能の障害との関係が徐々に解明されています。遺伝や育て方が直接の原因とはいえません。
発症早期に適切な治療を受けると良い回復を得やすいものです。本人が病気を認識しづらい場合もあり、周囲の方からの専門機関への相談も有効です。薬物療法や精神療法、生活技能訓練、環境調整などが主な治療法です。

 

② 精神障害者の精神疾患の種別構成割合

平成20年の厚生労働省「患者調査」によると、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」が入院で56.2%、外来で20.8%。
「気分〔感情〕障害(躁うつ病を含む)」が入院で8.7%、外来で34.7%。「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害は入院で1.5%ですが、外来では20.0%になっています。

 

③ どんな病気ですか?

統合失調症

被害妄想、幻聴、興奮、思考の脈絡の乱れ、感情の平板化、意欲や自発性が低下し閉じこもりがちになるなどの症状がみられます。
思春期・青年期に発症することが多く、発症率は約1%です。
薬物療法などで改善します。再発予防のためには服薬が有効です。
経過が長期にわたるため、福祉的な支援が必要となる人も少なくありません。

気分障害(躁うつ病、うつ病、躁病)

うつ状態では、憂うつな気分、意欲の減退、自責的で悲観的な考えがみられ、不眠や食欲低下なども出現します。躁状態では、爽快気分、過剰な活動性、誇大的な考え、浪費や性的逸脱などのトラブルの発生がみられます。躁とうつの両方の状態が交代でみられる人も、うつ状態だけ出現する人もありますが、躁状態だけ出現する人はごく少ないといわれています。
若い人にもみられますが中年および老年期に発症することが多く、生涯有病率*は約10%です。
薬物療法などで改善します。躁うつ病の場合、周期的に症状が出現することがあり、うつ病も再発をくり返すものが多いです。再発予防に服薬や精神療法が有効です。
またうつ状態では自殺企図に注意が必要です。
*それまでの生涯の間にうつ病であった割合

神経症、ストレス障害

強い不安と動悸や呼吸の困難感などが突然出現する「パニック障害」、対人場面などへの恐怖感が強く生活に師匠をきたす「恐怖症、何度も確認しないと気がすまないなどこだわりが強い「強迫性障害」、犯罪被害などを契機として被害場面が突然思い出されたり、それを想起できる場所を回避してしまう「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」などがあります。

アルコールや薬物依存症

アルコールや覚せい剤などの乱用を、自分の意志だけではやめられず、身体面や社会生活上の問題を生じて、周囲も大きな影響を受けます。

認知症

脳萎縮などの明らかな脳の障害のため、記憶力や判断力が低下するものです。被害妄想や幻視、夜間の興奮などの症状を伴う場合もあります。

パーソナリティー障害

著しい性格の偏りによって、物事の受け取り方や対人関係のとりかた、感情や衝動性のコントロールの障害がみられるため、本人や周囲の人々に苦痛や困難をもたらしがちです。

その他

「摂食障害」、「不眠症」などのほか、「発達障害」のある人にも精神症状がみられることがあります。
また必ずしも病気とはいえませんが、思春期の家庭内暴力やひきこもり、長期の不登校も心の健康問題に含まれます。

 

相談機関

保健所・保健センター
市町村相談窓口
東京都立中部総合精神保健福祉センター(電話03-3302-7711)
東京都立多摩総合精神保健福祉センター(電話042-371-5560)
東京都立精神保健福祉センター(電話03-3834-4102)
東京都夜間こころの電話相談(電話03-5155-5028)

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